果樹園も変化に乏しい時期ですので、先月の視察の写真をアップしてみます。
まずは津軽型剪定鋏の元祖・三國剪定鋏製作所を訪問。三代目三国定吉さんにお話しを伺いました。
左の写真は完成直前の鋏です。
工場内部は想像以上に小さく、昭和の半ばにタイムスリップしたような光景。モノクロが似合いそうな雰囲気です。
オブジェ?かと思われた黒電話は現役で、訪問時も遠く九州方面から注文の電話が入っておりました。
工場内は作業工程がよくわからない配置ですが、この本人にしかわからない一見雑然としたところに”職人”を感じます。
この椅子に立てかけられた鉄の板が鋏の原材料です。適当な長さに切断し手打ちで鋏を作り上げるそうです。
(材質も色々あると思うのですが、質問し忘れました)
これが鋏の原型です。
無造作に床に置いてありました。(一瞬スクラップかと思ってしまいました。)これが研がれてピカピカになるんですね。
保管されている過去の製品の中からユニークな形状のものを数点。極端な曲がり方ですが、それぞれ意外と扱いやすいのです。しかしそれなりの欠点もあり、試行錯誤の末現在の型になったそうです。
これがオーダーメード完成直前の鋏。刃の角度やウデの長さがそれぞれ微妙に違います。全国から届いた手形や仕様の詳細が書かれた注文書が大切に保管されておりました。こうして多くの生産者とともに出来上がってきたんですね。
三国さんは高齢を感じさせない、静かだがエネルギッシュな印象です。鋏の話をしたら何時間でも話が尽きないといった感じで、あっという間の2時間でした。残念ながら「三国定吉」の名は三代目で終わるというお話しでしたが、まだまだ作り続けて欲しいです。
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